苦役列車の作家である西村賢太さんが亡くなりました。
享年54歳。早すぎるし惜しい人が亡くなりました。
石原慎太郎さん、坪内祐三さん、西村賢太さんと作家さんの訃報が続きます。
私小説の書き手
私小説(わたくししょうせつ、ししょうせつ)は、日本の近代小説に見られた、作者が直接に経験したことがらを素材にして、ほぼそのまま書かれた小説をさす用語である。
西村さんで初めて私小説という存在を知りました。
読みなれない古い文体ですが、話に引き込まれるし面白いところもある。
読み終わった後はスカッとする爽快感はなく、救われない話が多い。
世の中には、誰でも書ける話があるという。
それは自分のことですが、人生が面白くなければ物語にはなりません。
例えば私の人生を書いても、事件や変化に乏しいので面白さはない。
西村さんの人生が普通でない、ダメ人間が繰り広げるダメな話が物語となる。
読み手を選びますが、未読の人は一度読んでみてもいいでしょう。
読んだ後は爽快感はないので、ご注意ください。
個性的な人
『苦役列車』は映画化になったので、ご存じの人もいるでしょう。
映画を見た本人が”世紀の駄作”と酷評し、その後に”そのような宣伝方法もある”と言ったお方。
本人は非常に癖が強い人であり、古い破天荒な作家さんのイメージ
- 昼のTV番組であからさま風俗の話をして、昼の番組に出していいのかと言われる。
- 酒に酔って人を殴り留置場に入る。
- 宝焼酎の純が好きで、夜~朝にかけて一本飲む。
- 風俗が好きでお金がなかった時に、風俗に行けないと嘆く。
- ヘビースモーカーで1日の百本の煙草を30年間吸い続けている。
- 藤澤清造の歿後弟子を自任し、短編集にたずさわる。
石川県の藤澤さんの墓に三桁はお参りし、自宅には木製墓標がある。 - 同棲した彼女の実家から多額の借金をする。
こうやって並べてみると、長生きする要素が見当たらない。
最近は腰痛、通風、体調不良に苦しまれたようです。
ダメな日常を読ませる文章力
”苦役列車”より”小銭をかぞえる”が印象に残っている。
女性との同棲生活や借金について赤裸々に描かれている。
罵詈雑言は聞くに堪えないレベルで、ここまで酷い男がいるのかと思うぐらい。
ただ、ダメな日常を読ませる文章力はさすが。
毎回同じ話と言われても書き続け(私小説なので主人公は同じようになる)、芥川賞を受賞。
その後もずっと作家活動をされていました。
一小説書きの日常(全6冊)で考え方や生活を垣間見ることが出来ます。
近所の図書館には3冊しかなくて、残りの3冊は未読です。
県立図書館で借りてこようかな、宝焼酎の純を飲みながら読むのもいいですね。
惜しい人を亡くしました。
ご冥福をお祈りいたします。
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