今だから知ろう「いまさらですがソ連邦」を読んだ

少し古い本ですが、ソ連邦の基礎知識を分かりやすく学べます。
古本屋では安値で売られているかも。
kindleのunlimitedでは読み放題の対象なので無料です。
私はジャケットだけで購入を判断し、発売当時に定価で購入。
ウクライナ関連で再読しました。

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C%E3%82%BD%E9%80%A3%E9%82%A6-%E9%80%9F%E6%B0%B4%E8%9E%BA%E6%97%8B%E4%BA%BA-ebook/dp/B07HQCV9B9/ref=sr_1_1?crid=221A0LL9K12K8&keywords=%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C%E3%82%BD%E9%80%A3%E9%82%A6&qid=1649550499&sprefix=imasa%2Caps%2C449&sr=8-1

データから見るソ連邦。

ソビエト連邦構成共和国の地図

1.ロシア、2.ウクライナ、3.白ロシア(ベラルーシ)、4.ウズベク、5.カザフ、6.グルジア(ジョージア)、7.アゼルバイジャン、8.リトアニア、9.モルダビア、10.ラトビア、11.キルギス、12.タジク、13.アルメニア、14.トルクメン、15.エストニア
参考元:wikipedia

〇建国 1922年12月
〇解体 1991年12月
〇国土面積 2240万Km2
(現在の世界第1位はロシア連邦1709Km2)
〇人口 2億8670万人
〇GNP 2.6596兆$ 世界第2位(1990年)
*バブルの日本は1.91兆$で世界第3位 ソ連凄い。
共産党によって成立した国。
全員が共産党員ではなく6.4%(1980年後半)。
共産党で出世して”赤い貴族”になると特権が受けれる。
全ての人民の平等のはずですが、実際には階級社会。

KGB(カーゲーベー) 国家保安委員会を持ち、
情報収集、スパイ摘発、思想統制を行う巨大組織。

1800年後半の農村では百姓に教育は必要ないと考える人が多かった。
1930年に義務教育法が成立。
その結果、すべての教育が無料となった。
特徴的なのは軍事教練があり、予備的な訓練を行っています。

ロシア人と言っているが、民族の数は100以上。
15の連邦構成共和国、20の自治共和国、自治州、自治管区があった。

事実を羅列すると、巨大で力がある世界2位の国家であることがわかります。
革命によって誕生し理想を掲げた国家がなぜ衰退することになったのか。

当時学生だった私でもソ連崩壊やベルリンの壁がなくなったことは、
歴史の分岐点を考えていました。

理想を目指した国

ソ連は官僚主義の国で数は1800万人 労働人口の15%。
巨大組織の維持に莫大な税金が投入され国民所得の14%。
・・・あれ?どこか国はこれより高かったような気がするが?

経済成長の目標数値は官僚が決定し、その計画は非現実的な物。
だが不思議な事に目標は達成される。
・・・現代でも見たければ近隣の巨大国家C国や、ワンマン企業で同じ光景が見れるでしょう。
B/SやP/Lの数値も魔法のように目標に合ってしまう不思議ですね~。

ヨーロッパはNATOvsワルシャワ条約機構の対決となるが、NATOが優勢となる。
ワルシャワ条約機構は1991年に解体。

NATOへ加入した年代。(旧 ワルシャワ条約加盟国)

ポーランド 1993年
チェコ   1999年
スロバキア 2004年
ハンガリー 1999年
ルーマニア 2004年
ブルガリア 2004年
アルバニア 2009年
エストニア 2004年
リトアニア 2004年
ラトビア 2004年

ワルシャワ条約機構や旧ソ連邦の国々がNATO入りしています。
ウクライナはロシアにとっての生命線、戦争は許しがたいですが原因はわかります。

建国の父レーニン

1917年の2月革命でニコライ皇帝は退位、民主派政権が誕生、
第一次世界対戦中にロシア+フランス+イギリスとドイツが戦っていたが、
海外にいたレーニンはドイツの協力でロシアに帰国。
帰国後に革命を実行した後にドイツと講和。

マルクス主義は「資本主義が成熟して社会主義へ発展していく」考えですが、
ナロード二キは「資本主義をすっ飛ばして社会主義にしよう」という運動。
マルクスの兄と姉がナロード二キという変革運動にかかわるが、暗殺未遂事件の関与で処刑。

”建国の父”レーニン書記長がマルクス主義をロシア用に完成したのがマルクス・レーニン主義。
大学の課題や卒論などで、その言葉をうまく引用しなくてはならない。
現在も北の国や赤い大国で似たような教育が・・・以下 割愛します。怖いから。

スターリンの大粛清

武闘派スターリンは現金輸送車を襲う、金持ちを誘拐し身代金を得る、
ゆすり、窃盗、通貨偽造のビジネス?で得たお金をレーニンへ送金。
信任を得ることに成功。
やってることは裏社会のボスみたい。
裏の世界でも大成功しそうですが、時代は彼を国家元首にする。

レーニン死後に書記長の座についたスターリンは大粛清を始める。
1937年~1938年の2年間で134万人が有罪、68万人が死刑 63万人が強制収容所へ。

・富農と呼ばれる裕福な層が150~200万人。
・中間層と呼ばれる層が1500~1800万人。
富農と中間層は財産没収となり集団農場への加入も拒否される。
・・・似たような話をC国で聞きましたが、桁はC国のほうが多い。

大祖国戦争と呼ばれた第二次世界大戦が勃発。
スターリンvsヒトラーという悪夢のカードの戦いであった。
第二次世界大戦後の1953年に死去。

フルシチョフ

スターリンの死後マレンコフという人物が首相になったが失脚しフルシチョフが指導者となる。
第20回党大会で「スターリン批判」を行い、世界各国の共産党国家に衝撃を与える。
中国、アルバニア、北朝鮮など、各国の関係に深刻な亀裂が発生。

農業改革や宇宙開発を行い、1957年に世界初の人口衛星を打ち上げ世界に衝撃を与える。
1961年にガガーリンを乗せて世界初の友人宇宙旅行に成功。
ICBMの実戦配備も進められた。

フルシチョフの時代にキューバ危機も発生。
もしキューバに核兵器が配備されていたら、今の世界は一変していたでしょう。

変わる指導者

ミスター俗物 ブレジネフ
KGB議長  アンドロポフ
任期13ヶ月 チェルネンコ

しかし時代は時が過ぎるごとにひどくなる。
・工場な無断欠勤は当たり前
・ノルマが増えないように生産設備を破壊
・ダラダラと修理して時間を潰す
・汚職天国 警察官は取締で小遣いを増やす
・モノ不足、電気不足、ガス不足
まさに夢の労働環境、日本のほうが苦しく見えるのは気のせいでしょうか?

ラスト書記長 ゴルバチョフ

ゴルバチョフは知っています、ストリートファイターⅡでザンギエフと一緒に踊っていた。
アーケード版ではベガにたどり着けず、タイガータイガーと遠距離攻撃でボコボコにされた。

ペレストロイカ(立て直し)政策で有名で
経済改革、情報公開、民主化の3つの基本方針を打ち出した。
だが1986年にチェルノブイリ原発事故と原油価格の急落が発生。

民間の飲食業、サービス業に力を入れて外国人観光客の誘致を行う。
経済は活性化したがインフレ率も年20~30%へ上昇。
貿易も活性化したが、巨額の貿易赤字が発生。
皮肉なことに情報公開が体制批判を招く結果となる。

1990年にノーベル平和章を受章。
「ノーベル平和賞を受賞した政治家をロクな奴はいない」というジンクスからは逃れられず。

1991年8月にクーデターが発生したが、わずか3日で失敗。
1991年8月にソ連共産党の活動全面停止
1991年12月に大統領を辞任しソビエト連邦は崩壊した。

ゴルバチョフ氏は現在も罪名です。
今のウクライナ情勢をどのように見ているのでしょうか。

理想の国の顛末

ソ連邦は理想の国家

  • 自由で平等
  • 高度な医療と充実した教育制度
  • 失業も倒産もない

というプロパガンダが宣伝されていた。
現実には厳しい階級社会で平等とは無縁の世界。

情報量が少ない時代で不遇な待遇な立場にいる人であれば心惹かれる宣伝文句。
実際に似たような境遇で、北の楽園へ旅立った人々が多数いらっしゃる。
その結果はご存知でしょうが、察して下さい。

共産主義の国の歴史、思想教育、プロパガンダは共通することが多い。
結末も同様になるか、注意して見ておく必要があるでしょう。

この本にはまだ様々な内容があります。
ソ連軍人となろう
・ソ連地上軍のひみつ
・ソ連海軍の苦悩
・空軍と防空軍
・スペツナズって何?
・勲章とメダル

ソ連邦生活ガイド
・ウォッカとソ連市民
・お買い物と大行列
・ソ連製品ってどう?
・マフィアと黒社会
・休日の過ごし方
・モスクワ五輪顛末記
・あなたの知らないソ連

ウォッカと市民の戦いは節酒令vs密造酒の熱い戦い。
今のロシアの人はウォッカはあまり飲まないようですね。
(アルコールによる弊害を重く見たプーチン政権が、節酒等に力を入れた)

興味がある人は、この機会に手に取ってはいかがでしょうか。
世界一の領土を持った国家が、どのように崩壊したか学べます。
外敵によらずに内部崩壊するとは、巨大国家でも未来はどうなるかわからないですね。

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